カテゴリ:映像> 目次 > 30時間の奇跡 > 「30時間ギャラリー」(凝結点)> No.29
No.29 逃げちゃだめだ
水彩,B5用紙 裏面:P『《行く先には……》』p.1 |
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解説:
僕作。 「ストレートメッセージ・シリーズ」その4。 これまで紹介してきた作品の「危なさ」のフォローのために描いたのだが、「危ないからって逃げちゃだめだ」というコピーをよくよく考えてみると、「部全体が危ない」ということが前提になってしまっており、キャッチコピーが根本から間違っていることに気づかされる。「逃げちゃだめだ」は、当時席巻していた<エヴァンゲリオン現象>からの迷ゼリフ。ちなみに僕がシンジ君だったらサクッと逃げるね。やりたくない事やるのはバカだと思います。(←子供発言) 描いた真意をちょっと思い出せないが、もしかしたら新入生を挑発する意図もあったのかもしれない。「お前ら、こんな濃いとこでやれないだろ?」みたいな。 文責:所長 |
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カテゴリ:映像> 目次 > 30時間の奇跡 > 「30時間ギャラリー」(凝結点)> No.30
No.30 おいで(ver.靴)
水彩,B5用紙 裏面:白紙 |
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解説:
I作。 「ストレートメッセージ・シリーズ」その5。 「おいで」にはこんなのやこんなのもあったが、本作はそのなかでも群を抜いて<まとも>である。妥当なキャッチコピー「あと一歩、こっちにおいで」、そしてポップなスニーカーのイラスト。絶句である。 だが、「あと一歩のこっち」とは、もしかすると「こっちの世界」のことではないのか。わかりやすく例えれば「一歩まちがったヨガ教室」とか「磯釣りの一歩向こう」とか、そんな場所ではないのか。 ひねくれた見方しか出来なくなっていた僕は作者の言葉で目が覚めた。「勧誘されてる時に一歩近づくのって勇気いるんだよね。」発想もまともでした。 文責:所長 |
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カテゴリ:映像> 目次 > 30時間の奇跡 > 「30時間ギャラリー」(凝結点)> No.31
No.31 入らなイカんことない?
クレヨン,B5用紙 裏面:白紙 |
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解説:
I作。 「ストレートメッセージ・シリーズ」その6。 これは夜半過ぎに描かれていたことを覚えている。「入らなイカんことない?」はイカん(=ダメ)とイカ(烏賊)との 確認はとっていないが、彼のことなのでその発想で描いたのにまず間違いない。が、ちょっと深読みをしてよう。「イカん」(=如何)ではどうか。如何は、「どうだろうか」くらいの意味。つまり「入らなくてもどうってことない(のかよ)?」みたいな 衝撃の挑発反語に早変わりなんだぜ! 疲れますよね? この解説読むの。 文責:所長 |
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カテゴリ:映像> 目次 > 30時間の奇跡 > 「30時間ギャラリー」(凝結点)> No.32
No.32 入れ、タコ!
クレヨン,B5用紙 裏面:白紙 |
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解説:
U作。 「ストレートメッセージ・シリーズ」その7。 これはもう、明らかにNo.31に直接影響された作品である。イカをタコに変え、「入れ、タコ!」。かなり洒脱である。洒脱すぎて脱力感すら覚えるものの、No.31解説に記したような奥深すぎる<挑発メッセージ>を適切に汲み取り、それを全面に押し出した喧嘩上等のデザインにもなっている。 さらに、その侠気(おとこぎ)とは裏腹の適度にかわいいタコ。真っ正面からは絶対に怒れないほどにキュート丸出しである。 ・・・というように僕は褒め上手なので、比較的女性に好かれますが、実は全部計算です。 文責:所長 |
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カテゴリ:映像> 目次 > 30時間の奇跡 > 「30時間ギャラリー」(凝結点)> No.33
No.33 あなた、来て。
クレヨン・サインペン,B5用紙 裏面:白紙 |
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解説:
T作。 「ストレートメッセージ・シリーズ」その8。 この作品は自宅での製作の最後のころに描かれたもの。ストレートなメッセージを意識して描いたのではなく、気力・体力ともに疲弊しており、ストレートしか無くなってしまっているのである。彼はたしか中学生だったので仕方がないと思う。 デザインの男はオシャレな感じで決めているが、タテカンのインパクトとしてはかなり薄い。毛は濃いものの、これが無いととても寂しくなってしまうので生やさざるを得ない、というのが妥当なところだろう。インパクトのある作品は(「30時間」の中では)「要らない要素が多すぎること」が条件のように思う。実際、今回の作品が決め手となって入部してくる部員はちょっと厄介な気がする。(←厄介とか言うな) 文責:所長 |
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カテゴリ:映像> 目次 > 30時間の奇跡 > 「30時間ギャラリー」(凝結点)> No.34
No.34 君も真っ白になってみないか
ボールペン・水彩,便箋 裏面:白紙 |
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解説:
僕作。 「ストレートメッセージ・シリーズ」その9。 実は、描き続けて一夜明けて、できた作品を全てそのまま立て看板に張ってはみたものの余白が出来てしまった。そこで急遽各自に宿題を数枚課し、描いてきた。僕の宿題のうちの一枚がこれである。ゆえに便箋なのだ。薄く罫線があり、文芸色を醸し出しているところが面白い。 ただ、「真っ白になってみないか」と気取っているものの、自分自身が真っ白な灰になりつつあることに当時の僕は気づいていたのだろうか。たぶん、「ちばてつや先生!」とか言いながら描いていたのではないだろうか。おかげで翌日の新入生歓迎祭では、勧誘している横で道路にぐったり寝ていたように記憶している。 消したい記憶だ。 文責:所長 |
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No.35 ボンジュール
水彩,B5用紙 裏面:白紙 |
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解説:
U作。 たぶん間違った偏見だが、横浜に掲示するならこの作品しかないと断言出来る。 ところで、誰がモデルなんだろう。U.K.のアーティストか(病的な感じが)。やけに気さくなピアノ・マンか。格好からすると、第二次大戦中のドイツ人にほぼ間違いないのだが、Tシャツ・短パンが気になる。そしてなんでこいつは海に挨拶しているのか。なぞは深まるばかりだ。 解説的に煮詰まってきたのでタテカン案として見てみよう。新入生に対して初めてのご挨拶がよもやの「ボンジュール」(短パンで)。部室でこんなことしたら1年生は120%「ひく」と思うよ。 以後、気をつけてください。(←以後?) 文責:所長 |
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No.36 その星みせて
鉛筆・クレヨン・サインペン・水彩,B5用紙 裏面:白紙 |
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解説:
僕作。 ラストNo.42まで続く「絶対零度ギャラリー」へようこそ。「凝結点」の痛さを突き抜け、背後に<わざとらしさ>や<偽善>しかない、ドロドロの悪意あふれる作品群の登場です。もちろん評価は見た人にお任せするしかないですし、客観的には心洗われるデザインではあるんですけれども、これから掲げる作品たちは明確に<偽善的に描く>がテーマでした。 本作のモチーフは、道化が才能という名の星々を発見していくというもので、こんなレリーフを見たことがあるんです。「偽善」とは違いますね、「普通は隠すだろう」みたいな、過剰なわざとらしさ。24時間テレビ(NTV)みたいな感じです。 ただ、新入生の7割はこのわざとらしさを見抜かないでしょう。その7割は間違いなく心が澄んだ人だと思うので、児文研に逝ってよし。 文責:所長 |
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No.37 With you
クレヨン・サインペン,B5用紙 裏面:白紙 |
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解説:
I作。 「確実に裏がありそうで、痛くて痛くて正視できない作品を描こうぜ! こうなったら!」みたいな感じで描き始めた作品群。コンセプトからして完全に間違っている。<いつでも君といっしょだよ☆>みたいな青臭さ満開のこの看板案を見て入部した人々を僕は何人も存じておりますが、かなりの人数が卒業まで 「With you」だったように記憶しています。その事実を踏まえると悪魔的ですらある。 ちなみに作者は、伝説となった作品たちをまさに矢継ぎ早に生み出した天才だが、この作品を描き終えた直後の彼を、僕はよく覚えている。無言で差し出した本作。僕は絶句し、彼は、それはもう、ものすごく苦い顔をしたものだった。カードの罰ゲームでコーヒー豆4つをかみつぶした時よりもずっとずっと苦い顔を。 文責:所長 |
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No.38 あなたにラブコール
水彩・修正液・サインペン,B5用紙 裏面:白紙 |
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解説:
I作。 副題として「あり得ない厚塗り」とでもしておきたい作品。画像だとわかりにくいが、水彩なのに実は5ミリほど盛り上がっている。圧倒的なほど無意味な筆圧。この絵のモチーフとなったカップは、そっちの筋の方が使うような全面ゴールド仕様&よくわからないレリーフが施されたビール用マグカップである。飲みながら描いていた。(「なっちゃん」を。) 新入生に向かって「酒」を猛烈アピールな心意気が、ここまで来ると微笑ましく感じられる上、狙いすました「あなたにラブコール」。もちろん僕たちはこのコピーとテーマが矛盾していることを自覚していたが、 優しい筆跡が救いだ。 文責:所長 |
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No.39 君に乾杯
修正液・水彩,B5用紙 裏面:白紙 |
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解説:
僕作。 だるま、である。片目を空けてあるだるま。「入部して黒目を入れてくれよな!」みたいな、あらゆる意味で恥ずかしすぎるメッセージが大上段から思いっきり振り落とされている。つっこみようがないため、かなり即死な勢いが素敵だ。 そして、見知らぬ新入生に向かって自信たっぷりに「君に乾杯」。無意味な自信はもうどうしようもないので諦めるとして、このデザイン、見る人からするとかなり大きなお世話ではないだろうか。 ただ、どうなのか。凝ったディティールのつもりかもしれないが「杯」の字が完全に間違っている。<狙ってここまでバカ>ならかなりイケてるのだが。イケてるってことはないか。 文責:所長 |
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カテゴリ:映像> 目次 > 30時間の奇跡 > 「30時間ギャラリー」(絶対零度)> No.40
No.40 咲かせて。
クレヨン・水彩・サインペン,B5用紙 裏面:白紙 |
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解説:
I作。 茎がかなりず太い、逞しい感じのコスモス(たぶん)の登場である。この作品、その迫力に比してかなり柔らかいタッチで描かれており、繊細さを存分に発揮しようとした努力が垣間見えてしまう。泣ける。 例えば、花びら。クレヨンで圧塗りしたい所をグッとこらえての水彩での ここから先は推測にすぎないが、才能を咲かせて欲しい新入生に対して遠慮している体(てい)で描かれたのではないか。「おれたち、こんなに気を使ってるんだぜ的に描こうかな」みたいな。ホントはお絵描き楽しんでるだけ。深読み過ぎるか? いや、それが真実だからこその絶対零度なのだ。 凍ってくだけろ。 文責:所長 |
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No.41 あなたいろがほしい。
水彩,B5用紙 裏面:白紙 |
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解説:
I作。 極寒のキャッチコピー「あなたいろがほしい。」(自覚済み)は、この際無視しましょう。ていうか、無視してください。お願いします。 上の方の色がちょっと変色して犬神家じみているが、この部分、もちろん「僕たち色」ではない。これは立て看板に使用した際に雨が降ったことを示す名残である。そう、あの日(日にちはさすがに覚えていないが)、力尽きた僕らが路上で寝そべっていたあの日、夕方から小雨が降ったのだ。 ということで、これまでUpしてきた作品たちは全て、ビニールの覆いがあったとはいえ、数々の危機を乗り越え、部室の片隅に埋もれながら公開を待っていたのである。今となってはそれが幸か不幸か、わからない。 文責:所長 |
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No.42 おめでとう
水彩,B5用紙 裏面:白紙 |
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解説:
僕作。 ・・・。自分たちの画才(のひどさ)に そう、女の子を勧誘しようという明確な 文責:所長 |
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すごいおまけ1:Paradice
サインペン・実印,B4用紙 裏面:白紙 |
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解説:
奇跡の30時間から半年後、学園祭用の原稿にとIが描いた傑作。当時の後輩がメチャメチャ喜んでいた。そんな後輩たちに恵まれて、僕はある意味、嬉しかった。 p.s.上の欄のB4をクリックすると、壁紙がDLできるよ!(←いらない) 文責:所長 |
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30時間終了。